オリンピックで日本女子ソフトボールチームが決勝戦を迎える。
誰しもが認めるエースである上野由岐子投手は、今回のオリンピックでも安定したピッチングだ。また投げた球で、相手バッターの金属バットをへし折るぐらいの剛速球が話題を呼んでいる。
その上野投手は2008年の北京でのオリンピックで悲願の優勝を勝ち取った。しかしそれ以降、ソフトボールはオリンピックの競技から外され、東京2020では3大会ぶりの復活になりました。
上野選手は北京で優勝という目標を達成した後、いろいろな葛藤があったようです。
自分がソフトボールを続けていく意義を見失い、辞めようと思ったこともあった。
しかし後輩たちにこれからもソフトボールをやってほしいとの思いから、人を育成する役割を自分はしなければならない、と思った時から吹っ切れたとコメントされていました。
上野投手はインタビュー時に、こんなことをコメントしていました。
「自分には13年前のピッチングは出来ない。でも13年分の知識と経験が加味出来たらいいと思っている。」
20歳代の若かった時の勢いのあるピッチングは出来ないかもしれないが、そこに創意と工夫をこらし、いいピッチング、つまり相手に点を与えないピッチングが出来れば良いということだろう。
この言葉は何だかシニアである自分にも勇気を与えてくれる言葉でした。
13年分の知識と経験、つまり積み重ねた年数はけっして無駄ではなく、自分に味方してくれるものだということ。知識と経験を無駄にしているのは自分自身で、そこを丁寧に振り返る事で光輝くものになる、と信じていきたい。
コロナ禍により、通常試合に追われる日々が、一転して自由な時間ができた。
じっくりと自分のピッチングを見つめる時間が持てたようです。
「神様が、もっと進化しなさい、と言っているんでしょうね。」
大きな壁を乗り越え、自分の進むべき道が見え、笑顔で語った上野投手でした。
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