岩﨑さんは7年前に大手の製薬会社を早期定年退職されてから、現職時代から携わってきた人材育成の経験を生かし、様々なワークショップを開催されています。
岩﨑さんに、「最近、定年後どんな仕事をしたらいいのか悩んでいる人が多いので、アドバイスもらえますか?」とお願いしたところ、すぐさま答えてくださいました。
「多くの人は、どんな自分になりたいか、どうありたいか、英語で言うと”Be”を考えないで、何をしたらいいのか、どんな事をするべきか、という”Do”ばかり考えているから、Doに振り回されて悩んでしまうのよ。Beがはっきりすると自ずとDoはついてくるでしょうね」
なるほど、定年後は現役の時と違い、どういう道を歩むか自由に選択でき、残された人生の集大成の意味もあり、まずどんな自分でいたいか、を考えるのは大切と思いました。さすが長年の研修経験から重みのある言葉を頂きました。
岩﨑さんがこのように思われるのは過去の思いもあるようです。
「父は40歳代で亡くなったから、まだまだやりたいことがあったはず。父より長く生きた自分は、定年後は父がやりたかったはずの社会貢献をできる自分でありたいと思った。」
「自分の経験してきたことを若い人や未経験者に伝えることで、彼らがそれを基に次のステップを踏め、無駄なく、さらに良いもの、進化したものを創造できる、そういうことに貢献していきたい。」
岩﨑さんの周りには若い人が集まり、退職した後も元部下から相談されているようで、まさにそれを実践されているな、と納得しました。
岩﨑さんを慕う人は多いみたいで、その人が紡ぐ縁で、今は大手の会社から人材育成を会社に根付かせてほしいと依頼され、契約社員として尽力されています。
会社に必要とされているので、この会社に貢献する、その思いは同じなのでしょう。
定年後はいろいろな選択肢があると思いますが、岩﨑さんのように、人から必要とされていることに応える自分でいたい、人に、社会に貢献する自分でいたい、というあるべき自分を明確にされている方は、賛同、共感される機会も引き寄せるのだなと思いました。
岩﨑さんは人を育成するという自分の好きな事を今までもそうですが、これからも学び続けられると思います。今後の展開が楽しみです。
「退職した時、それから2年後、5年後、そして7年後の今も、自分が納得いく、しっくりした毎日を送っているよ」という岩﨑さんの笑顔と自信に、あるべきシニア像を見た気がしました。
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