シニアになるとお孫さんと遊ぶのが生きがいと言われる方も多いと思います。
でも何をして遊ぶのか、何をすれば喜んでくれるのか悩むこともありますよね。
実は0歳から5歳の間、つまり保育園に預ける年齢に遊んだことが、子どもの人生を生涯に渡って左右することをご存じでしょうか。
今まで、子どもは元気に遊べば良い子に育つのだ、とか言って自分の経験則で語っていたことが、こうして遊べば大人になってから良い人生を歩める、ということが最近のデーターで明らかになってきました。
保育のプロと言われる保育園の先生方の保育のバイブルである厚労省「保育所保育指針」がそのデーターに基づき刷新されたのです。
その骨子となっている考え方に「非認知能力を高める」があり、読み書き計算をいう「認知能力」とは違う、目標に向かって頑張る力、人とうまくかかわる力、我慢する力などを表す「非認知能力」を高める遊びを保育に取り入れるようになってきたのです。
それを証明する代表的なアメリカのエビデンスとして、「ペリー就学前プロジェクト」があります。
3歳の子ども120名を60名ずつ2つのグループに分けて、3歳から4歳まで2年間、保育を丁寧に行ったグループ、もう一方は何も行わないグループに分けて、その子どもが40歳になった時にどのような違いがでるかを比較したのです。
関わったのはたった2年間です。あとは何も介入しませんでした。
結果は40歳の時の給与、持ち家率、高校卒業率、犯罪歴などが明らかに保育を丁寧に行ったグループの方が良かったのです。
読み書き計算などの認知能力が大きく影響を与えたと思うところですが、8歳の時には2グループ間での認知能力の差はなくなりました。 よくその違いを調べると、非認知能力に明らかな差があった、ということからがわかったのです。このエビデンスをノーベル経済学者のジェームス・ヘックマン教授が学会発表してから注目され、それ以降同様の様々なエビデンスが発表されるようになったのです。
何が言いたいかというと、非認知能力を高めるには、グループでいろいろな子どもと関り、夢中になって、いろいろな遊びを自分たちで考え楽しむこと、でもこれってシニア世代の我々が子ども時代にやってきたことですよね。ガキ大将がいたら、自分の立ち位置を受け入れ、忍耐しながらも一緒に遊んだり、おもちゃがあまりないから、泥団子で作ったり創意工夫して遊んだものです。
それを今は保育士の先生が遊びの環境設定をして、子どもの自主性を高めようとしています。
子どもの幸せがその時の遊びの経験で決まるとしたら、子どもへの最大のプレゼントは、シニアの我々が経験したことを子どもたちに伝承していく事ではないでしょうか。
私も孫ができたら、一生懸命楽しく遊べるよう関わっていこうと思います。お金はかけず(笑)、頭を使って、でもそれが最大のプレゼントと信じて。
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