ジャパネット高田の高田明さんは世阿弥のファンで「高田明と読む世阿弥」という本を書かれています。 また経済コラムニストの大江英樹さんは自身で世阿弥が書いた風姿花伝のセミナーをされていて、日本史上最高のビジネス書、ドラッカーよりはるかに良い、とまで言われています。
世阿弥は室町時代に能の基本を作った能役者であり能作者です。華やかな経歴ではなく自分の実力で1人者まで昇りつめた人で、その成功ノウハウを風姿花伝という書物に記して次世代に残しました。
その中で、役者の年齢に関する心構えがあり、「時分の花」「真実の花」にわけています。
「時分の花」は若い時、周りからチヤホヤされて、かわいいと人気が出る時期を言っています。 その時期はやがて年齢とともにすたれていき人気がなっていきます。
しかし努力を続け芸の道を深めていけば、年とともに実力が加わり、それは「真実の花」となる。 まるでいぶし銀のように輝き魅力的な役者になり、その人気は失われない、ということがそこで語られています。
なるほど、これはサラリーマンが定年を迎えた後の生きざまにも同じことがいえるのでないか、とふと思いました。
例えば会社では若いうちは得意先から可愛がられて売り上げが上がったりする、またそれ以降も何かの運が味方して評価されたとして、それが自分の実力と勘違いしていたらどうでしょうか。 もちろん不断の努力を続けていれば、それは実力として身についている。
定年後にすべての肩書などがなくなった時、まさに「真実の花」が試されるのかもしれません。
では現在の役者さんで「時分の花」「真実の花」を見ていきます。
中井貴一さん、「ふぞろいの林檎たち」「大河ドラマ武田信玄」など有名な役者さんですが、昭和のイケメン映画スターの佐田啓二さんをお父さんにもち、役者としてはまさに「時分の花」でしょう。 その時の写真です。
中井さんは今年還暦を迎えます。
今の中井さんは、NHKのサラメシやミキプルーンのCMで見られるよう三枚目のキャラも自然にこなしています。
今の写真です。
カッコいいですよね。まさに「真実の花」を地でいってませんか?
様々な役柄を真剣に演じてきたからこそ、今の魅力がでているのでしょうね。
定年を迎えセカンドキャリアを考えるようになっても、「真実の花」の心構えを心の中に持ち、定年活動を実りあるものにすれば決して遅くありません。
これからがスタートです。味のあるシニアを目指しましょう!!
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